プラークコントロール(予防歯科)
聞いたことあるだろう。
僕は子供の頃に「歯医者さんが勧める歯ブラシ」というのを見て疑問に思った、なぜなら僕が歯医者なら虫歯になる歯ブラシを作るからだ。
我ながらいい着眼点を持っている子供だと思う(自画自賛)
大人になってからわかったが、この歯医者さんのプラークコントロール戦略というのを皆さんはご存知だろうか?
実はこの手法が、西野亮廣さんの広告戦略と非常に似ているの事に気がついたので説明していきたいと思います。
あ、歯医者で「痛かったら手を上げてね」と言われて手を上げたら「我慢してね」と言われたかめぴょんです。
「意味」を変えて物を売る
まず、西野亮廣さんが物の売り方の話でよく言うのは「意味を変えて売る」と言うことです。
よく例えに出るのがCDです。
CDが全盛期だったのは1990年代です。
僕はその頃中学高校だったのでよく覚えてますが、毎週ミリオンセラーが出ている時代でした。
しかし、現在はそもそもCDを聞く機械が家になくなったので、そもそも売れなくなりました。
ですが、皆さんもご存知のようにAKB48のCDは飛ぶように売れます。
それはCDを「握手券」「選挙権」と意味を変えて売っているからです。
チラホラと
と揶揄されたりしてますが、笑っていいともと同じノリで
と言い返すしかあるまい。
ドラマ見て「演技じゃん!」と文句言ってるくらい不毛である。
他にも意味を変えているのが「ロウソク」です。
これだけ電気が発達して「明るくするためのロウソク」は無意味になりました。
ところがロウソクは未だに売れ続けています。
それは「明るくするための道具」から「暗くするための道具」に意味を変えたからです。
電灯には作れない「薄暗さ」がロウソクの目的になったのです。

こうして、その商品の意味を変えていかなければ、そもそもモノなんて売れないのです。
だって、不便や不満を解消するものはほぼ100均で揃っちゃいますからね。
西野亮廣の作品の意味は??
そして、西野亮廣さんは自身の絵本を「お土産」と「ギフト」と意味を変えて売っているのです。
つまり、絵本は本屋で売るのではなく、西野亮廣さんが仕掛ける講演会や舞台での出口販売、クラウドファンディングのリターン、被災地へのギフト等として販売しているのです。
時にはバーベキューのチケットとして売られることもあります。

(↑2017年10月5日「革命のファンファーレ出版記念パーティ」と言う名のただの手ぶらでBBQ)
かく言う僕もバーベキュー大会に、参加するのに革命のファンファーレを10冊買いました。
「一人が複数冊本買う」という非常識
と思ってるでしょうがもう少しだけお付き合いください。
この常識を変えたと言う事例がプラークコントロールにつながるのです。
まず大前提の常識として「本は一人一冊」と言うのがあります。
稀に「観賞用」「保存用」「あれ用」というシャレにならない本の買い方をする人をいますが、まぁ春なのでしょうがないです。
しかし、西野亮廣さんは
それは本を「文字情報」として売っているからという事に気がつくわけです。
確かに文字情報なら一冊あれば十分です。
そこで西野亮廣さんは本を文字情報から「お土産」「ギフト」と機能するようにあらゆ施策をします。
パターンがありすぎて、書き始めるとキリがないのですが、例えば「インテリア化」です。
実は西野亮廣さんの本はカバーを外すと余計な情報が消えるよう(飾れるよう)に設計されてます。

こうする事で「飾れる絵」になるのでギフトとして機能しやすくしていたりします。
また、革命のファンファーレはカバーを外すと全然違う表紙になっていて

2冊買うと1枚の絵になるようになっています。

そうする事で「一人が複数冊買う理由」が出来たわけです。
特に「ギフト需要」に関しては「いや、本をギフトって…」と、にわかに信じていませんでしたが「世の中にこんなに需要があるんだ」と思い知らされました。(かくいう僕も絵本を地元に10冊寄贈しています)
2020年現在はまだ公開されていない映画えんとつ町のプペルの前売り券が「ギフト」として売られています。
プラークコントロールの被害者は誰か?
では、そんな画期的な方法で売上を伸ばしていますが、これは西野亮廣さんオリジナルの革命的な手法なのでしょうか??
いえ、実は似たような手法を僕は見つけました。
それがプラークコントロール戦略です。
プラークコントロールという言葉は僕が小学校の頃に流行したと記憶してます。
プラークコントロールとはいわゆる予防歯科の事ですね。
子供の頃に「歯医者さんも勧める歯ブラシ」ってフレーズのCMを見たんです。
冒頭にも言いましたが
僕が歯医者なら虫歯になる歯ブラシを作る
です。
冷静に考えればそうですよね?
虫歯の人が減ったら歯医者は商売あがったりです。
ところが、1988年にオーラルケアを創業する大竹喜一さんはスウェーデンで確立されたオーラルケア理論にどえらい衝撃を受けたそうです。
当時の声としても
と残されています。
トータルテンボス風に言うと
です。
さて、プラークコントロールという革新的な技術が日本にやってきました。
歯医者は医師としては取り入れたいが、商売人としては取り入れたくないのです。
わかりますよね??
むしろこれをむやみやたらに商品化してしまうと、歯医者達からものすごい反発を受けることは必至です。
では、どうやってこれを広めたか?
歯医者にメリットがあるように設計する
プラークコントロールが広まれば広まるほど、歯医者の立場なくなります。
つまり、歯医者はプラークコントロールの最大の被害者と言えるでしょう。
なので、最も被害を受けるであろう歯医者に最大のメリットがあるように設計したのです。
プラークコントロールをむやみに広めると歯医者が
という声があがります。
ちなみに西野亮廣さんは「絵本の無料公開」と言う画期的手法をやった時には
と言う声で大炎上しました。
そこで、どうしたかと言うとこういう設計にするのです。
虫歯の人が減る=患者がいなくなる=客がいなくなる
虫歯の人が減る=患者がいなくなる
虫歯じゃない人が歯石を取りにやってくる=新しい患者
↑今なら言うは簡単ですが、当時虫歯じゃない人が歯医者に行くなんて発想はあり得なかったんです。
それを常識にするために打ち出されたのが
という新常識を作る事です。そのために歯医者が歯ブラシを推奨するのです。
結果的には、虫歯になった人しか客じゃなかったのに、虫歯になりたくない人、さらには「歯を美しくしたい」という美容歯科という分野にも広がりました。
もしあの時「プラークコントロール」を受け入れていなかったら歯医者は「虫歯の人の奪い合い」になっていたのではないだろうか?
西野亮廣さんは、絵本を無料で公開する事や意味を変えることで、「本は一冊しか買わない・絵本は子供に買うもの」と考えている市場の外の客にアプローチしていたのです、
基本的に西野亮廣さんは利益の奪い合い(ゼロサムゲーム)には参加しない人です。
プラークコントロールを推奨した人も、利益独占ではなく、WIN-WIN-WIN(メーカー、歯医者、患者)のトリプルウインにしたことで、新常識を作れたのです。
ちなみに、利益を独占しないWIN-WIN-WINのトリプルウインは西野亮廣さんのもっとも得意な分野です。
それでが、本日お伝えしたい事をまとめます。
伝えたい事はただ一つです。