西野亮廣とあだち充は表現者として超一流だって話
かめぴょんの「西野亮廣を勝手に誰かと比較しちゃうシリーズ」です。
もう第何弾なんでしょうね??
https://kamepyonblog.com/yanase-nishino
さて、今回僕が目を付けたのは「あだち充」先生です。
皆さんはあだち充と言えば「タッチ」を思いだすでしょうか?
それとも「H2」でしょうか?
はたまた最新の「ミックス」ですか?
もしかして「みゆき」ですか??
今回、西野亮廣さんと比較したい作品…
それは「ラフ」です。
皆さん、ラフをご存知ですか??
あだち充ファンの中では「最高傑作はラフだ!!」と言う声が多い作品です。
例にもれなく、あだち充ファンである僕も最高傑作はラフだと思っています。
(タッチより面白いからね!!)
そんなあだち充ファンの僕ですが、実は隠していましたが西野亮廣ファンでもあるのです。
西野亮廣さんのある作品を見た時に
あだち充の時と同じ感動だ!!
と、思った点があるのです。
誤解しないでいただきたいのは「西野亮廣があだち充をパクった!!」とか、そんなくだらない記事ではありません。
表現技法のひとつとしてあるんですが、なかなか使える作家はいないという事です。
(謎の上から目線)
二人の天才「西野亮廣」と「あだち充」
まず、あだち充はよく「画力が低すぎて主人公が全員同じ顔に見える」と揶揄されます。
画力の良し悪しは好みによりますが、確かに主人公はみんな同じ顔をしています。
(ちなみにあだち充自身も見分けがつかないと言っています)
(画像:「アメトーーク!」より引用)
では、あだち充は「表現力が低いのか」というとそうではありません。
僕は逆に超高等技術を使っていると思っています。
天才議事録1:表現に制限をかける
あだち充マンガは他のマンガでは当たり前にやっているが、絶対にやらない表現技法があります。
それは「心の声」を描かないのです。
心の声というのはセリフの「吹き出し」が丸になってるやつです。
気が付いていましたか??
あだち充マンガは絶対に心の声は描かれないのです。
心の声があれば、表現の幅も広がり心理描写も簡単になります。
だが、あだち充さんはそれを絶対に使わないのです。
そして、西野亮廣さんはこんなことを言っています。
そうじゃなくて、「やらないこと」を決める。
たとえば、僕が絵本作家としてデビューした時に、最初に「003mミリのボールペンしか使わない」ということを決めたんです。
つまり「色は使わない」と。
西野亮廣さんは「黒一色しか使わないと制限する事で、黒一色でどうやってオレンジ色を表現するかという壁に当たる、これはオレンジ色の絵の具を使う人が絶対に当たらない壁なんです」と言うのです。
つまり、表現に制限をかける事でが「才能」や「唯一無二の存在」を生むという話です。
あだち充先生も表現に制限をかけることで、唯一無二の世界観を作ったのです。
そう、自由な環境では才能とうものは開花しないのかもしれません(謎の超上から目線)。
天才議事録2:読み手に状況を想像させる
西野亮廣さんの作品で「チックタック約束の時計台」という絵本があります。
時計台をモチーフにした作品です。
「11時59分」で止まっている不思議な時計台ですが、物語が進み最後に時計の針が再び動き言う話です。
ストーリーは西野亮廣さんのInstagramにすべて載っているのでそちらを読んでください。
西野亮廣Instagramはコチラ
※インスタのDMはセフレ募集用だからしちゃだめですよ。
着目したいのは「時計の針が12時を指す時の表現技法」です。
[box01 title=”ストーリーをかいつまんで言うと”]・約束の時間が来ることを時計台が拒否している(11時59分で止まっている)
・約束の時間を迎えられる状況になった
・時計が再び動き出す
・祝福のように12時の鐘が鳴り響く[/box01]
何が凄いかというと、西野亮廣は一言も
と、いう言葉使わないんです。
もし僕が作者なら
と書いているでしょう。(謎の作家気取り)
しかし、西野亮廣は
たったこれだけです。
ですが、読者には確実に鐘の音が聞こえているのです。
なぜ鐘の音が聞こえるのか??
なぜ僕らに鐘の音が聞こえるかと言うと、布石としてこのような描写があるのです。
「鐘の音で目を覚ましたホタルが輝きだす」と言う事を、ふんわり伝えていたのです。
そして、ラストシーンがこれです。
鐘の音が!!
鐘の音が鳴り響いたという言葉を使わずに、鐘が鳴り響いたことを伝えたのです。
スゴイですよね!!
かめぴょん脱帽!あだち充の凄まじさ!
一方、あだち充はどうなのか?と言う事ですが、ここで登場しますはラフです。
もちろんこちらもラフのラストシーンの表現もチックタックに負けず劣らずの最高のラストなんです。
こちらもストーリーをかいつまんでいきましょう。(本当に色々端折ります)
[box04 title=”ラフのざっくりストーリー”]・主人公大和圭介とヒロイン二ノ宮亜美は両想いだがうまくいかない
・恋敵で許嫁の仲西弘樹が立ちはだかる
・大和と仲西は水泳の自由形の選手
・三角関係
・ヒロインはどっちつかずでどっちが好きかわからない[/box04]
ざっくり言うとこんな感じなんですが、本当ここに来るまで色々あるんですよ。
他のキャラのサブストーリーとかも凄くよくできているんですよ。
(特に野球部の緒方と陸上部の久米の話とか好き)
さて、僕が注目しているラストシーンです。
また、このラストシーンの表現方法こそあだち充の最高傑作と呼ばれるほどの手法なのです。
そんなラストありですか!?天才かよ!!
大和と仲西の水泳対決です。
しかも、一騎討ではなくオフィシャルの試合です。
さぁ!
最後のこの勝負どうなるのか?
スタート台に立つ二人が描かれ、スタートの合図がなり
ドボーーーンっと飛び込み!
勝負が始まった瞬間!!
物語は終わりを告げます。
どちらが勝ったかは描かれていないのです。
しかし、西野亮廣の「鐘を鳴らさなくても、鐘が鳴ったことが分かった」と同じです。
僕ら読者はどちらが勝ったかわかってしまうのです。
かめぴょんの胸キュン解説
もうここからはかめぴょんがドキドキキュンキュンする解説をしていきますね。
どっちつかずのヒロインの二ノ宮亜美の好きな人は大和なのか仲西なのかわかりません。
もう!!
しかも、あだち充ワールドの「心の声」が全くないものだから、二ノ宮亜美の心理は読者には全く分からないのです。
「心の声がない」という手法で、ここまで僕らをヤキモキさせるなんて、やはりあだち充は天才です。
西野亮廣さんがいう「表現に制限をかけることで生まれた天才」とはあだち充のことなのではないかと僕は思います。
そして、物語の終盤の方で大方の状況を知っているおじいさん(大場さん)が、どっちつかずの二ノ宮亜美にこう質問します。
[chat face=”man3″ align=”right” border=”blue” bg=”blue” style=”maru”]どうじゃ?いっそのこと勝った方に決めたら?単純で恨みっこなしじゃ[/chat]
それに対し亜美は
「いやよ!そんなの」
と答えます。
[chat face=”man3″ align=”right” border=”blue” bg=”blue” style=”maru”]なんだ、本命は負けそうな方なのか[/chat]
水泳の下馬評で言えば仲西の方が勝ちそうです。
(仲西は日本記録保持者)
そこで、二ノ宮亜美はこう答えます。
どっちも勝ってもおかしくない状況なんだよ!!
すいません、道産子なのに関西弁が出てしまいました。
いや、マジでどっちなんだよ!!
と、いう気持ちで読んでいました。
ですが、この手前でこんなやり取りがあるんですね
二ノ宮亜美の部屋から流れる曲を気に入った大和は亜美に「その曲をカセットテープに録音しておいて欲しい」と頼むのです。
カセットテープというのがまた時代を感じさせますね。
僕たちの青春そのものですね。
自分の好きな曲を集めて「マイベスト」というカセットテープを作ったものです。
そして、大和は最後のレースの前にそれを聞こうとしたのですが…
なぜか音が流れないのです。
はい、なんてことないシーンなんです。
結局ウォークマン(カセット)は動かないまま最後のレースを迎えてしまうのです。
無造作に控室にウォークマンを放り投げて行き、スタート台に立つ二人
↑過去に海でおぼれた二ノ宮亜美を二人で助けに行くというシーンがあり、二人が速く泳ぐ理由は「二ノ宮亜美を助けに行く事」となっているからです。
普通なら、ここからスタートからゴールまでの激闘を描いてどちらか勝つかに読者はドキドキしたいわけですよ!!
しかし!!
このダアンと言うのは会場でのレースのスタート合図です。
スタートと同時にあのカセットが動き出します。
そして、二ノ宮亜美の声だけがウォークマンから流れてきて物語は終わるのです。
その時の二ノ宮亜美の声がこちらです。
あー、あー、こちら二ノ宮亜美、きこえますか?
ただ今8月25日金曜日、午後9時25分31秒、32秒、33…気温28度、星空、晴天、微風…きこえますか?
あなたが好きです
こちら二ノ宮亜美、大和圭介応答せよ
あの日本記録保持者仲西に大和は勝ったんだ!!
だって、二ノ宮亜美の好きな人は勝ちそうな方だもんね!!
勝つ方が二ノ宮亜美の好きな人なんだもんね!
好きな人が勝つってことだよね!!
このテープから、遂に亜美の好きな人が分かったんです。
こんな表現技法を使ったのは僕の知る限り
※僕が知らないだけで他にもいると思います
最後に僕からお伝えしたいたった一つの事
どうでしたか??
僕の異常なまでのあだち充愛と西野亮廣好きが伝わったでしょうか??
ちなみに、西野亮廣はお笑い芸人ですよ?(芸人なのか??)
そして、ビジネス界で異例な売り方やクラウドファンディングの第一人者になったり、どちらかと言うと「商売の才能」に注目されている西野亮廣さんですが…
作家としての表現力もやはり超一流だったんです!!
(もちろんあだち充もね!!)
西野亮廣さんはビジネスの才が注目を集めて、表現者としては過小評価されています。
[box05 title=”西野亮廣が過小評価される偽りのロジック”]・凄いから売れてるんじゃなくて、売れてるから凄い
・西野は売る能力が高いから「売れてるから凄い」が当てはまる
・「売れてるから凄い」と言う事は中身はそうでもない
・中身は薄くても「売れてるから凄い」を西野は体現している
だから、西野の作品は大したことないけど、売る力は本物だ[/box05]
どっこい!
表現者としても超一流なんです。
(あだち充も超一流だけどな!!)
こういうドストレートじゃない表現技法を使いこなす作品って本当に素晴らしいですよね。
一流の表現者しかできないと思います。
そう言えば、マイフレンドフォーエバーって古い映画のラストシーンも主人公が靴を履いていない事にものすごい意味があって、それに気が付いた時に号泣したことを思い出しました。
本日、僕がお伝えしたい事はたった一つです。
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