2024年のレターポットの正体は「小さな感謝を送る装置」だった
2017年に、リリースされた謎の文字サービスレターポットが、2024年に再加熱しています。
西野亮廣さんあるあるですが、レターポットは2017年には早すぎたサービスでした。
あの頃、時代がどう変化するのかなんて西野亮廣さん含め誰も予想できませんでした。
しかし、コロナというパンデミックが世の中をガラッと変えました。
インターネットのあり方が、大きく変化しました。
もちろん、時代が西野亮廣さんに追いついたわけではありません。
こういう時代に変化したのなであれば、「レターポット」はこういう使い方ができるのでは?という、変化に対応したのです。
たまたま「レターポット」が使いやすい時代になりましたが、西野亮廣さんは、天才風に
「こうなると思ってた感」
を、出すかもしれませんが、そこは騙されないようにしましょう。
レターポットの価値とは?
が、レターポットの発想の始まりです。
レターポットは「1文字5円」という、超高いうえに使いにくいメールサービスです。
ただ、ここは宗教チックになるのですが「1文字5円払ってまで、文字を送ってくれるって嬉しいな」と感じる世界が一部あるということです。
これは宗教でもなんでもなく「共同幻想」というもので、理解し合っている人同士で楽しめばいいのです。
外からみたら異常な光景でしょう。
しかし、考えてみてください。
もしも火星人が「一万円札」を大切に大切にしている日本人を見たり、その一万円札が原因で時には争いが起きる光景を見たら。
そう、紙幣に価値があるというのも「共同幻想」なのです。
具体例:「沈没船」に乗った時の紙幣の価値
火星人には謎でしょうが、「みんなが、紙幣は何でも交換できる」と、思い込んでいるから紙幣には価値があるんですね。
でも、状況が変化したらただの紙くずに成り下がります。
もっとわかりやすい説明をします。
それは映画「タイタニック」です。
ヒロインのローズの婚約者キャルは、お金で何でも解決する男です。
彼は、船員にこっそりお金を渡して不正したりします。
ですが!
救命ボートに乗る時に、船員に超大金を渡すんですが
船員が
と、怒ります。
そうです、沈没船という状況では、紙幣にはなんの価値もありません。
ですが、逆に言うと価値というのは「状況」によって変わるということです。
レターポットってなんなの??
レターポットのモデルは腐るお金「ゲゼル・マネー」です。
時間とともに価値が下がっていくお金です。
経済が不況の時に「腐らないお金」は溜め込まれますが、腐るお金は「腐る前に使わなきゃいけない」ので経済は活発に回ります。
これはファンタジーでもなんでもなく、1932年に「ヴェルグルの奇跡」という実話なんです。
ちなみに、「映画えんとつ町のプペル」で、ゴミ人間のプペルが初めてお給料をもらう時に雇い主のダンは「腐る前に使えよ」と一言声を掛けます。
西野亮廣さんは、たったひとこと「(お金を)腐る前に使えよ」という一言のセリフに、めちゃくちゃ歴史的な意味を込めていたのです。
さて、レターポットは2017年に開始されたサービスですが、あまり誰にも求められることもなく西野ファンがキャッキャ楽しんでいました。
ですが、2024年の今にはあって、2017年のあの頃なかったものがあります。
生成AIとレターポットの親和性
2017年では「絵を描く」というのはクリエイターの仕事でした。
つまり、クオリティの高い絵を手に入れるには対価が必要なのです。
しかし、今は素人が生成AIをピコピコっと触ると数秒で、ハイクオリティな絵が一瞬でかけてしまうのです。
これは全然難しくなく、やり方さえ覚えれば誰でもできます。
麻雀のように複雑なルールを覚える必要もありません。
難易度で言えば「ワニワニパニック」のルール覚えるくらいの感覚でできます。
すごくないですか??
これが何を意味すのかを深堀りしましょう。
AIに仕事や価値が奪われるが、小さな感謝が生まれてる
よく、AIに仕事が奪われるといいますが、それは仕方のないことです。
駅だって、自動改札機やSuicaが発展したから「切符を切る」という仕事が奪われました。
でも、切符の価値は下がっていません。
AIの発展で確実にクリエイターの仕事は奪われます。
でも、イラストや文章の価値は下がりません。
みんなこのように奪われるもの、価値の下がるものにおびえているので気がつけませんが、新しく生まれるものもあるのです。
西野亮廣さんは、いつもその新しく生まれるものに着目します。
西野亮廣さんが気づいた、AIの発展で生まれるものもはなにか??
仕事の対価ほどじゃない感謝の気持
例えば、プロのイラストレーターにイラストを頼んだら「対価」が発生します。
ちなみに、僕は「趣味ブロガー」なので、文章にお金は発生しません。
ですが、自分で言うのもあれですが、そこそこ文才はあります。
なので、この文才を使って
と、思いながらお金ももらわずに書いてます。
ここまで読んでいるであろう、西野亮廣さんは本人はこう思うはずです。
これは西野亮廣さんが、「自分の作った世界観に興味を持ってくれて嬉しい」という、小さな感謝が生まれているということです。
僕には、たまたま文才があったので、AIを使わず西野亮廣さんに「小さな感謝」を生むことができました。
少なくとも2017年では、僕の文才はなかなかのものでした。
ですが、2024年の今をみてください…
ChatGPTの登場です。
僕ごときの文章や、三流クリエイターのごときのイラストはAIを使えば余裕で作れます。
例えば、AIを使って「えんとつ町のプペル」のファンアートみたいなものも簡単に作れます。
これが落書きみたいなものなら、西野亮廣さんだっていい気はしませんが、AIを使えばハイクオリティなものが作れます。
そしたら、西野亮廣さんには「小さなありがとう」が生まれます。
このありがとうの正体は、僕らが発する「あなたの世界観に共感してます」に対しての小さな感謝です。
僕もこのように文章を書く人間ですので、ある種「かめぴょんワールド」のような世界観を作っています。
ですから、僕の文章を「おもしろい」「共感します」というのは本当にうれしいものです。
AIで何でもハイクオリティで作れるようになりましたが、結局大切なのは「あなたのために」という気持ちなんです。
「あなたのために」を、受け止める時って、大げさに喜ばなきゃいけない時もあるし、反対に変な期待をさせないために無視を貫くときもありますよね?
「ちょうどいい、ありがとう」が、結構難しかったりします。
そして、そこにレターポットです。
レターポットの正体は「小さなありがとう」
レターポットの正体は、「小さな感謝を伝える装置」です。
新しい通貨や、いろいろな道をとおり「ファンからの搾取装置」と揶揄された時期もありました。
ですが、レターポットのコンセプトは、最初からブレることはありません「インターネットに体温を」です。
ちなみに、レターポットには歌があります。
その歌詞にも
「もしも言葉消えるのなら、その前にキミに伝えなくちゃ、こんなに支えられてること、照れずにきちんと伝えなくちゃ」
そして、ほぼ知られていない、幻の2番の歌詞は「今度は君がその言葉を、大切な誰かに送ってね、君の体温を乗せた言葉で世界を温めておくれよ」です。
体温を乗せた言葉というのが、「小さなありがとう」だったということです。
2017年時点では、僕レベルの文章を書ける人は少なかったので、僕の文章には価値がありました。
でも、これからChatGPTが発展したら、僕よりうまい文章を、AIに書かせる人がたくさん生まれるでしょう。
つまり、誰でも作れるということは「作ること」に価値はなくりました。
でも「あなたのために」というのは小さな感謝を乗せれば、そこに体温が宿るのです。
2017年から7年の月日がながれ、冷めきっていたレターポットが、AIという無機質なものの登場で少し温まってきました、
小さな感謝を伝える、レターポットが僕は大好きです。